第1677回例会:2024年5月16日(木)

今回の卓話

「高校生の40%が生活習慣病予備軍!?」

公益財団法人 鯉淵学園代表理事 理事長
株式会社フォーカスシステムズ 代表取締役社長
森 啓一 様

みなさん、こんにちは。鯉淵学園の理事長の森です。私はもう一つITの会社を経営しており、今年で14年目になります。鯉淵学園は昨年2月に理事長に就任し、今年2年目になります。

今日のタイトル「高校生の40%が生活習慣病予備軍!?」とは、男子高校生の44%以上、女子高校生の42%以上が、将来の癌、心臓病、高血圧、糖尿病などの予備軍になっているということです。これは近年の食を取り巻く外部環境の変化、すなわち、孤食化、食の外部化、簡便化、欧米化の進展が、栄養の偏りや食生活の乱れをもたらし、高校生が生活習慣病の予備軍になっているということです。

コンビニ弁当や外食に含まれる食品添加物が塩分、糖分、油分の過剰摂取につながるという研究結果があります。食品添加物のマスキング効果によって、普通なら摂れないはずの量の塩、砂糖、油を、美味しく感じて大量に摂ってしまうのです。食品添加物には発がん性もあり、海外では多くの添加物がすでに禁止されています。しかし、日本で認められている食品添加物は1500品目もあります。アメリカは133、ドイツは64、フランスは32、イギリスは21です。日本だけ桁違いに多いことがお分かりになると思います。

世界で禁止されているのに日本で許可されている添加物を三つご紹介します。一つはトランス脂肪酸。マーガリンやショートニング、菓子パンやクッキーに含まれています。アルツハイマーの原因になるとか、動脈硬化やアレルギーをもたらすと言われており、WHOは2023年までに人工のトランス脂肪酸を排除するという目標を掲げていました。もう一つは赤色2号、別名アマランスという添加物で石油から作られています。発がん性、蕁麻疹、妊娠率低下や死産の原因になるという研究結果があります。日本では清涼飲料水、ゼリー、漬物などに使われています。三つ目が漂白剤として使われる過酸化水素です。発がん性物質として各国で禁止され、日本でも一度禁止されましたが、ほかのものでは漂白できないということから限定した使用が認められています。数の子やシラス、うどん、竹輪、蒲鉾に使われています。

何故、日本でこのような政策を取り続けているかというと、アメリカが戦後日本の農業を衰退させる政策をとり、その結果、日本の食糧自給率が38%しかないというところに原因があります。皆さんは食糧難というものを経験されていないと思いますが、統計的には日本でも20人に1人は飢餓を経験しています。食べたくても食べられない人の数は、世界204か国の内34位という多さです。飢餓率では204か国中94位。日本は、いつ食糧難が起こってもおかしくない、食に対して安全な国ではないのです。この問題を解決するには、単純に食糧自給率を上げればよいのですが、政府は、米が余っているから作るな、牛乳が余っているから絞るな、牛1頭殺せば15万円出すという政策をとっています。その一方で、コオロギパウダーを使った食品といった昆虫食を推奨しています。我々はその愚かさについて考えなければいけないと思います。

不測の事態において、国民の命を守るのが国防なら、国内農業を守ることが安全保障の第一の要になるはずです。食糧に国家予算をつけなければ国民の命を守れないことを知ってほしいと思います。かつてアメリカの農務長官アール・バッツが来日したときに、食糧はアメリカが持つ外交上の強力な手段である、食糧を自給できない日本においては非常に有効である、日本に脅威を与えたければ穀物の輸出を止めればよい、と言ったそうです。アメリカは小麦や大豆、とうもろこしの輸出攻勢をかけて、日本人の主食はだんだんと米からパンに変化させられてきました。日本人の小麦の消費量が増えたことによって癌が増え続けているという統計も実際にあります。遺伝子組み換えのトウモロコシが飼料用として大量に輸入され、それで育てた牛や鶏、豚が日本で流通しているのも事実です。日本国内には非常に多くのコンビニが乱立し、添加物いっぱいの加工食品が出回り、それによって癌やアレルギーが増えています。このままでは、とんでもないことになると気づいてほしいと思います。

ここで、日本のこれまでの姿を振り返りたいと思います。人間の体は空気と水と食べ物で形成されていると言えます。日本の空気は世界から見ると非常にきれいです。日本の水も水道水が安全で美味しく飲めます。問題は食べ物ということになります。ほどんとの病気は食べ物から引き起こされると多くの医師が言っています。また、ある食糧アナリストは、現代人が病気になるのは、「いただきます」と「ご馳走様」という食が信仰であることを忘れたからだと言っています。かつては、動物や植物の命をいただくから「いただきます」と言い、走り回って魚を釣り料理をし食事を提供してくれる人に対して「ご馳走さま」と感謝して食事をしてきました。今は、コンビニやファーストフード店で、すぐに食べたいものが手に入ります。コンビニのパンやハンバーガーを見ても、感謝の気持ちはなかなか湧いてきません。かつて日本にあった信仰から、今は食欲という欲に変化してしまっているのです。

日本は古くから神道によって人間と自然が共に住む国と言われてきました。この神道をアメリカは非常に恐れて、これまで政策をとってきました。我々はもう一度アメリカの支配から脱却しなくてはいけないと思います。日本の農業を活性化させて国民の安心安全を取り戻す、そのために今回、公益財団法人鯉淵学園農業栄養専門学校の理事長に就任し、日本の農業を根底から見直し、日本を農業大国にしていきたいと思っています。鯉淵学園は来年設立80周年を迎えます。全国に6000名を超える学生研究生を送り出しています。初代学園長の小出満二先生が、確固たる信念をもって、国家のため、人道のために尽くす人材を、農業を通して育成していきたいという思いで作られた学校です。水戸市で35ヘクタールという広大な土地にあります。学生の定員は200名ですが、現在80人弱しかおらず経営的に非常に厳しい状況です。そのような中でも、6月からe-ラーニングというオンライン講座を開始することにしました。さらに、日本で失われた麻、大麻草の栽培が県知事の許可制で昨年末から認められるようになったので、鯉淵学園ではこれについても研究していきたいと思っています。日本の食と農を作り出す学校にしたいと取り組んでいます。機会があれば応援していただければと思います。
ありがとうございました。

質疑応答

Q:食料自給率38%というお話の一方、耕作放棄地が増えているという問題があります。農業を志す人を増やす方法についてのお考えを聞かせてください。

A:農業に力を入れている国は世界に多くあり、大きな補助を農家に与えています。日本でもようやく日本の農業をなんとかしなければと動いていますが、向かっている方向が、日本の優秀な農作物を海外に売ろうというものです。日本の優秀で美味しく安全なものを外国に売って、日本人は農薬にまみれた安いものを食べろという方向に行きつつあります。高齢化によって耕作放棄地は増えています。しかし、法律が非常に難しく、放棄地を簡単には使えない状況になっています。鯉淵学園は学校であり、公益財団ということで、学校用地という形であれば、ある程度自由に入手でき、税金もかからないので、放棄地を使いその土地を将来学生に渡すことを考えています。また、コミュニティを作り、年配の農家の方々のところに若者を送り、いずれそこを引き継いでいくといった活動を地道に行うことが必要だと思っています。その一方で、大企業が農業に興味を持ち、意識も高まってきているので、農業は今後非常に注目される分野になるのではないかと考えています。