第1737回例会:2025年10月30日(木)

今回の卓話

よいことのために手を取りあおう

国際ロータリー第2750地区 2025-26年度ガバナー
田中 靖 様

国際ロータリー第2750地区 2025-26年度 ガバナーの田中靖でございます。山の手ロータリークラブの皆様におかれましては、日頃より地区へ多大なるご尽力を賜り、心より感謝申し上げます。そして、これからどうぞよろしくお願いいたします。
本日の私の卓話の演題は、今年度の国際ロータリー(RI)会長メッセージである「よいことのために手を取りあおう」です。

■RI新体制と3つのテーマ

皆さんご存知の通り、当初RI会長に就任予定だったマリオ・セザール・マルティンス・デ・カマルゴ氏は、国際協議会で私たち同期ガバナーに大きな思いを託した後、6月9日に突然、会長エレクト職を辞任されました。私たちにとってまさに青天の霹靂でした。この窮地を救ってくださったのが、フランチェスコ・アレッツォ氏です。彼はわずか3週間足らずしかない準備期間の中でこの職を受け、7月1日より今年度RI会長として就任されました。
アレッツォ会長は、前任者が発表していた会長メッセージ「UNITE FOR GOOD」 を「非常にシンプルで力強いメッセージ」だと評価し、これを継承することを表明されました。その上で、会長としての3つの強調事項を掲げました。

  1. ポリオ根絶
  2. 会員増強
  3. 平和

国際大会でお会いしたアレッツォ会長は、とても穏やかでありながら、うちに秘めた情熱は非常に熱いものを感じさせ、ロータリーを愛し、ロータリーの可能性を信じている方でした。

■会員数の現状とクラブの魅力向上

この10年間の国際ロータリーの会員数の推移を見ると、アジアを除く全ての地域で会員数が減少しており、国際ロータリー全体としても会員数が減少しています。日本も例外ではありません。
前任者のデ・カマルゴ氏は、「ロータリーの最大の財産は私たち自身、つまり会員である」とおっしゃいました。この会員が減少している現状を踏まえ、私たちが取り組むべきは、「会員増強」です。

  • 3つの会員増強策:新しい仲間を増やそう
    多くのクラブで「会員増強」が大きな課題となっています。今年度、1年間で150人の会員増強に成功した2025-26年度第2地域ロータリー 若林英博会員増強コーディネーターの手法を参考に、会員増強のための3つのヒントをご紹介します。

    1. 新しい会員身分: 例えば、平日の昼間の例会参加が難しい方向けに、オンライン参加を主とし会費を安く設定するWeb会員。また、ご子息やお嬢様が入会しやすいよう、同一家族2人目以降の会費を安くする家族会員など、多様な立場の方がロータリアンになれるような会員の身分をクラブ独自で作ってみてはいかがでしょうか。
    2. 戦略的オープン例会の実施: 会員候補者を招くオープン例会を、計画、準備、当日、フォローアップの流れの中で、徹底的にこだわり戦略的なものにします。候補者のお名前を覚えて皆がお声がけをし、居心地の良い雰囲気を作る、会長から心温まるメッセージを伝えるなど、全員で歓迎とおもてなしを徹底します。その方が入会してくださったら、それはみんなの成功事例となります。
    3. 衛星クラブの新設: 特定の目的や活動に特化したクラブを、8人から設立できる衛星クラブを活用します。既存クラブの会費(年間30~40万円)が難しい若手(ローテックスやライラリアン等)向けに、会費を安価(年間10万円以下で運営しているクラブがほとんど)に設定できます。また、シニア層がロータリアンとしての経験を活かせる受け皿にもなります。
  • 会員維持の鍵:絆を深め、魅力的なクラブへ
    毎年15万人の新しい会員が入会する一方で、16万人の会員が退会し、ロータリーは毎年1万人ずつ会員を減らしています。まさに私たちがやらなければならないのは「会員維持」です。私は、会員増強は「新しい仲間を増やすこと」、会員維持は「その仲間との絆を深めること」だと表現したいと思います。
    会員維持の鍵は、以下の2点にあります。

    1. DEI(多様性・公平性・インクルージョン)に則ったクラブ運営: 会員一人ひとりが隔たりなく、その能力や個性を発揮でき、お互いが支え合いながら、一人一人が尊重されると感じられるようなクラブ運営。
    2. クラブでの感動体験: 奉仕活動や親睦を通じて、会員に感動的な体験を提供できれば、そのクラブに対する愛情が深まり、「クラブを辞めよう」とは思わなくなります。

    DEIに則った運営と感動体験を提供できるクラブこそが魅力的なクラブです。私は、皆さんがクラブ戦略計画を活用し、「3年後、5年後、10年後、どんなクラブになっていたいか」というビジョンを描き、そのビジョンに向かって同じ方向を向いて歩むことこそが、より魅力的なクラブになる一番の近道だと信じています。

■第2750地区の推進事項:ポリオ・環境・平和

ロータリーのビジョン声明は、「世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化をもたらすために、人々が手を取り合って行動する世界を目指していく」ことです。このビジョンを実現するための行動計画が、4つの優先事項「より大きなインパクトをもたらす」「参加者の基盤を広げる」「参加者の積極的な関わりを促す」「適応力を高める」であり、地区の戦略計画もこの優先事項を基に作られています。
私のロータリアンとしての経験、特に2018年のインドでのポリオワクチン接種活動は私のロータリー活動の中心をポリオ根絶活動とする大きなきっかけとなりました。また、2021年の「世界ポリオデー トレインジャック」プロジェクトやその後のロータリー財団委員長としての体験は、今の私のロータリアンとしての核になっています。
このような経験を踏まえ、今年度、私は第2750地区の推進事項として、以下の3つを掲げました。

  1. ポリオ根絶
  2. 環境
  3. 平和
  1. ポリオ根絶
    私は、世界ポリオデーを、「ロータリアン一人ひとりがロータリーの最優先事項であるエンドポリオ・ナウを再認識する日」であり、「ロータリーが1985年に世界の子どもたちと交わしたポリオ根絶という約束を再確認する日」だと考えています。
    エンドポリオ・ウィーク:10月19日〜25日までの1週間をエンドポリオ・ウィークとし、期間中の例会を全てエンドポリオ例会とするようお願いし、多くのクラブで実行いただきました。今後も、エンドポリオイベントの開催など様々な形でポリオに関わる取り組みをお願いします。私の夢は、今年度、地区の全てのクラブがポリオに関わる例会・イベントを開催していただくことです。
    「優雅なひとときを過ごしながら社会に貢献する」というロータリーの素敵な一面を具現化するため、エンドポリオ・ファンドレイジング・パーティーを開催し、オークションで100万円を超える寄付を集めることもできました。
  2. 環境
    来年6月5日の世界環境デーに、地区として誰もが参加できる「スポGOMI大会」(ゴミ拾いをスポーツ化)を開催します。
    ご家族やご友人を誘っての参加は、クラブの公共イメージ向上につながります。会員候補者を誘えば、ロータリー活動を知ってもらう機会になります。また、最近例会に出ていない会員を誘い、共に汗を流すことは、仲間としての絆を深め、退会を思いとどまらせるきっかけにもなります。
    環境問題は地球規模の問題ですが、私たち一人ひとりの考えと行動が、バタフライ・エフェクトとなって大きな波となり、ロータリーのネットワークを通じて大きなムーブメントになると信じています。これは、今を生きる私たちが、未来の人類へ向けて今起こさなくてはいけない行動です。
  3. 平和
    ロータリーの究極の目的は世界平和です。今年度のホームカミングデーは「平和」をテーマとし、アジアで唯一国際基督教大学に設けている平和センターの関係者や、ロータリー財団奨学生の学友たち(JICA、WHO、国連などで活躍)を招き、平和について語り合います。
    また、今年度は、ハンガリーの地区と連携し、現地で設立されたウクライナ避難民の子供たちのための学校への支援を重点的に行うプロジェクトを計画しています。ご賛同いただけるクラブの皆様の参加をお待ちしております。
    ポール・ハリス氏の平和に関わるメッセージを紹介します。「戦争が永遠に続くことなどありえません。平和が必ず来るし、来るようにしなければなりません。来る年月、非常に困難で厳しい任務がろーたりーをまっています。戦争で荒廃した世界の傷をいやすこと、憎しみを相互理解や寛容にかえること、恨みの存在するところに愛情を築くこと、敵を友人に変え、激しい怒りや武力闘争を善意と国際平和に代えること。それがロータリーの任務です。」この言葉を胸に、平和に関わる活動をしていきましょう。

■ロータリーを楽しむための取り組み

地区の推進事項に、皆様が興味を持って、そして楽しんで参加していただけなければ何の意味もありません。それを実現するために地区はこの1年間「ロータリークエスト」を展開していきます。  ロータリークエストとは、仕活動や親睦、増強など、様々なアクションを「クエスト」という形で提示し、クラブ単位でポイントを競い合っていただくプログラムです。ぜひゲーム感覚で、楽しんでご参加ください。

  • ロータリー財団と米山記念奨学会:ロータリー財団と米山記念奨学会の活動は私たちの寄付によって成り立っています。今年度も、皆様のお力でこの活動を支えてください。
  • 地区大会:今年度は立川ステージガーデンで開催します。今までとは一味違う、エンターテイメント性の強い、音楽に溢れた楽しい大会にしたいと思っております。ぜひたくさんの方々のご参加をお待ちしております。
  • 国際大会:今年度は台湾・台北で開催されます。地区として過去最高の1,000人の参加を目指しております。皆様お誘い合わせの上、多数のご参加をお待ちしております。

■結びに:「よいことのために手を取りあおう」

「UNITE FOR GOOD よいことのために手を取りあおう」は、1917年アーチ ・クランフ氏が現在のロータリー財団に繋がる基金を設立した時に使った言葉であり、現在も財団のモットーとして使われている「世界で良いことをしよう (Doing Good in the World)」をさらに広く拡大したものです。
そして「UNITE」お云う言葉はロータリーのビジョン声明で使われ、「for Good」には慣用句として「永遠に」という意味が込められています。
つまり、「UNITE FOR GOOD」とはロータリーの過去から現在、そして未来へと続く壮大なメッセージです。
私たちが手を取り合うことで、より大きなインパクトのある奉仕活動が実現できます。より大きなインパクトのある奉仕活動は、ロータリーへの興味を引き、新たな入会者を増やします。そうなれば、私たちはもっと大きなインパクトのある活動を実現できるようになります。このサイクルを、私たちの手に入れていきましょう。私たちが手を取り合えば、私たちの未来は無限に広がっていくと私は感じています。私たちの未来、私たちのビジョン、そして私たちの夢を実現するために、良いことのために手を取りあいましょう。
最後に私のモットーをお知らせします。Enjoy Rotary」です。これからも共に、ロータリーを楽しんでいきましょう。ご清聴ありがとうございました。