第1739回例会:2025年11月13日(木)

今回の卓話

みやけの思うアンチエイジングについて

株式会社モイスティーヌfelice 美容コンサルタント
三宅 千穂美 様

皆さんこんにちは。株式会社モイスティーヌfelice、美容コンサルタントの三宅千穂美でございます。私は大阪生まれで、以前は国際線の客室乗務員(キャビンアテンダント)をしておりました。その後、広報部に所属しPR専門の仕事に携わったほか、ソムリエの資格も活かしてワイン講座を開いたり、マナー講師、そして現在の美容コンサルタントとして洗顔レッスンなども行っております。

■アンチエイジングの真の定義

皆様が「アンチエイジング」と聞いてイメージするのは、とにかく見た目が若いことかもしれません。もちろんそれも大切ですが、私が目指すのは、「生き生きと元気で、実年齢に見えないウェルビーイングを保ち、いつも穏やかでニコニコしていられる人」です。山の手ロータリークラブの伊達さんや生駒さんのような方々ですね。
アンチエイジングとは、加齢による心身の衰えを予防・緩和し、老化を遅らせること。つまり、実年齢ではなく、心と体の状態を若く保つということなんです。老化は自然なことですが、いかにそれを遅らせるか、ここにポイントがあります。

■老化の主な原因は「酸化」「糖化」「炎症」

老化の主な原因は、体の中で起きる「酸化」「糖化」、そして体の中の炎症です。これらが細胞にトラブルを起こし、老化を加速させます。
酸化:りんごやバナナが茶色くなったり、ネジが錆びていくのと同じ現象が、体の中でも起こっています。肌では、これがシミやくすみの原因となります。子供の頃は日焼けしても冬にはあっという間に白くなりますが、大人になるとメラニンの排出が追いつかなくなり、シミとして残ってしまうのです。
コラーゲン・エラスチンの分解:お肌の奥でスプリングのように支えているコラーゲンやエラスチンが分解されると、たるみやシワ、そして地盤沈下のような状態を引き起こします。
バリア機能の衰え:肌を守る機能が衰えると、乾燥や赤みといったトラブルの原因になります。

アンチエイジングとは、一般的に美しいお肌作りをイメージしますが、その根本は日々健康な体を作っていくことにあります。皮膚は体の外側にある一番大きな臓器であり、受精卵から作られる際に脳と皮膚は外胚葉で一緒です。つまり、皮膚と脳は密接な関係にあり、心と体の健康こそがアンチエイジングの基本なのです。

■酸化の要因と対策

老化の原因の一つである酸化の最大の要因は、皆様ご存知の活性酸素です。体に取り込まれた酸素のうち、約2%は結合されずに不安定な状態で残り、細胞の内側と外側で悪影響を与えます。この活性酸素を過剰に発生させる主な要因はこちらです。

  • 紫外線:特にUVAは、コラーゲンやエラスチンのある真皮層まで深く入り込みます。
  • ストレス、喫煙、電磁波、大気汚染、加工食品の添加物
  • 激しい運動:過度な激しい運動も、活性酸素を発生させる要因となります。

酸化させないための3つのポイントをご説明します。一つ目は、抗酸化成分の摂取: 酸化を防ぐビタミンC、E、ポリフェノールなどを含む食品を意識的に取りましょう。バランスの取れた食事の指標として、「まごわやさしいか(豆、ごま、わかめ、野菜、魚、しいたけ、いも、かな=果物)」といった伝統的な食材を中心に摂ることが有効です。 また、タンパク質をコラーゲンに変えるのに必要な酵素も重要です。酵素は熱に弱いので、生野菜などで摂るか、効率よくサプリメントなどで補うことを意識したいですね。
二つ目は、生活習慣の改善です。十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理、そして入浴を心がけるだけでも、老化の進行はかなり変わってきます。
三つ目は、正しいスキンケアです。これは後程詳しくご説明します。

■睡眠と入浴の重要性、大谷選手も意識する「睡眠」

大谷翔平選手も非常に意識されているのが睡眠です。睡眠は、体を回復させ、細胞を作り直す大切な時間帯です。
成長ホルモン:体の修復・新生を行う成長ホルモンの70%は、寝ている時にしか分泌されません。この分泌が最も活発なのは、眠り始めの3時間程度のノンレム睡眠時だと言われています。GABAはストレスを緩和し、睡眠の質を向上させるアミノ酸の一種で注目されています。サプリやGABA入りチョコレートなどで積極的に摂取できると良いですね。
体を温めることや癒しの効果を出していくには、入浴が大変必要です。お風呂では水圧により筋肉の緊張が解け、リラクセーション効果にもつながります。ただし、特に東京は水に塩素が多く含まれています。塩素の多いお湯に長時間浸かると、肌の保湿成分が逃げてしまい、乾燥やかゆみの原因になりかねません。塩素を除去する入浴剤などを使うと良いでしょう。入浴の温度と時間は、38度から40度ぐらいのぬるめのお湯に、15分以内を目安に入りましょう。入浴後は、すぐに保湿ケアをしてセラミドなどの細胞間脂質の不足を防ぐことが大切です。

■老化を防ぐスキンケアのポイント

お肌の老化の80%は、紫外線による光老化が占めていると言われています。皆様、お顔と腕の内側、足の裏を比べて、どこが一番キレイだと思いますか? おそらく、腕の内側ではないでしょうか。お顔も足の裏も、生まれた時は同じ一枚の皮膚です。しかし、腕の内側はほとんど擦られていませんし、常に服などで守られ、紫外線を浴びていません。何もしないのが一番キレイでいられるのが肌の真実なのです。
しかし、お顔はそうはいきません。だからこそ、肌ストレスを与えないお手入れが重要です。肌ストレスのないお手入れ:今まで「ゴシゴシ、パンパン」していた方は、今日から「優しく優しく」してください。刺激のないお手入れを徹底しましょう。
また、男女問わず、クレンジングは必須です。ソープ(石鹸)は水溶性の汚れ(ホコリ、汗)を取りますが、油の汚れは油でしか取れません。男性は70代でも女性の30代と同じくらいの皮脂の量があると言われています。男性こそ、朝晩のクレンジングでしっかり油の汚れを取りましょう。
保湿と紫外線予防の予防も重要です。長時間紫外線を浴び続けるのは危険。日焼け止めなどでしっかりと予防し、保湿ケアも欠かさないようにしましょう。

■みやけの思う最高のアンチエイジング

さて、お話ししたかった結論が、この最後のポイントです。脳と皮膚は密接な関係にあると申し上げました。私は、この関係性を利用したアンチエイジングが最強だと考えます。それは、「幸せホルモンであるセロトニンを出し、肌を潤わせること」です。
笑顔はセロトニンの分泌を促進し、心の安定やストレス軽減に役立ちます。そして何より、作り笑顔でも効果があると証明されているのです。これこそが、私が思う最高の若返りポイントです。
そこで、JALの訓練生時代に行った、口角を上げる笑顔のトレーニングを、皆様と一緒に練習したいと思います。

  • まず、鼻と口の間に指を当て、「ん」と上唇を上げる練習。
  • 次に、口の横をすぼめて、「うー」とひょっとこのような形を作る練習。
  • そして、口角を横に広げて、耳の方に持っていくイメージで笑いましょう。目も優しく笑ってください。

この顔で、今から出る言葉、「ラッキー・ハッピー・ウイスキー」を、口の周りの筋肉をしっかり使って3回言いましょう。このように口角を上げる練習をするだけでも、幸せホルモンが分泌され、笑顔が自然と作れるようになります。
これこそが、私が思う一番のアンチエイジングです。皆様も、いつも前向きでニコニコいられるよう、この笑顔のトレーニングを続けてください。ご清聴ありがとうございました